闇金に払ったお金は返ってくる?その可能性について

闇金に返済したお金は本来支払う必要のないものです。通常であれば取り戻す権利が債務者にはありますが、直接お金を返還してもらうのは難しいです。しかし代用できる法律があってこちらを活用すれば、間接的にお金を取り戻すことも可能です。

闇金に支払ったお金は戻ってこない?

闇金でお金を借りて返済してしまった場合、返還を求める権利はあります。そもそも闇金は違法に融資をしているので返済すること自体が無効になるからです。しかし相手も違法であることはわかっていて融資しているので「返済したお金を返せ」といったところで無視されるのがオチでしょう。しかしだからと言ってあきらめることはないです。個人で行うのは難しいかもしれませんが、闇金問題専門の弁護士・行政書士に相談をすれば、多少なりとも回収できる可能性も出てきます。回収できるかどうか、どの程度お金が戻ってくるかどうかは相手がどのような業態で営業していたかによって変わってきます。

店舗を出している場合は可能性が高い

店舗を運営している闇金業者の場合、返金に応じてもらえる可能性が高いです。このような店舗ありの業者の場合、摘発されればすぐに取り締まりの対象になります。告発されるくらいなら…ということで相手も応じる可能性が高いわけです。ただし今では足がつきやすいということもあって、事務所を構えて闇金家業を行っているところは少ないです。

店舗を持っていない業者は難しい

闇金業者の中には足がつくのを恐れ、店舗を持たずに営業するのが今では主流です。待ち合わせ型といって、パチンコ屋や駐車場など指定した場所に行くと業者の人間がいて、そこで取引するわけです。そのほかには昔からあった090金融も厳しいです。これは携帯電話一本でやり取りをする手法です。これは相手の居所をつかむのが難しいです。もしまずいことになれば、相手も行方をくらます可能性があるのでコンタクトをとること自体が難しいでしょう。電話についても債務者の名義でプリペイド式の携帯電話を使っている場合も多く、携帯電話の所有者から足取りをつかむことも厳しいです。

被害回復分配金支払申請を活用する

上で見たように、闇金業者からお金を取り戻すのはかなり難しいかもしれません。しかし直接返金しなくても、支払ったお金を取り戻す方法があります。そこでポイントになるのが、被害回復分配金支払申請の手続きです。被害回復分配金支払申請とは振り込みや凍結された銀行口座の残高に応じてお金が申請した人を対象に分配されます。こちらの手続きを使って、お金を取り戻すわけです。

闇金業者はお金の貸し借りの取引の際に銀行口座を利用することも少なくありません。金融機関からしてみると、自分たちの口座が闇金という犯罪行為に利用されたとなります。もしこのような犯罪行為に口座が使われた場合、対象の口座を即時凍結する権限を銀行は持っています。この凍結した口座からいくらかのお金を取り戻すことが可能です。ただし相手が前もって口座からすべてのお金を引き出している場合、分配金を得られない可能性はあります。しかしもし残っていれば、多少なりともお金が戻ってくる可能性も十分あります。

被害回復分配金支払申請の手続きは、自分で行うことも可能です。しかし煩雑なところもありますので、こちらの手続きをする際にも借金問題専門の弁護士や司法書士に代行を依頼したほうが無難といえます。

劇場型闇金に注意する

闇金の手口は次から次へと新しいものが出てきています。その中でも注意したいのが、劇場型闇金と呼ばれる手口です。イメージとしては振り込め詐欺に近いような感じです。ある債務者をターゲットにすると、自分たちのグループで貸し付けをどんどん行います。そして役割分担をするわけです。あるところは昔ながらの厳しい取り立てをする闇金、ほかは優しくフォローしながらお金を貸し付ける闇金、さらにお金に困ったところで近づいて新規貸し付けを行う闇金といった感じです。融資を受けている人の中には、今利用している複数の闇金は実はグルだったことにすら気づかないこともままあります。振り込め詐欺でも、会社の人間や弁護士、警察など役割分担してあの手この手でお金を巻き上げます。両者は非常に似ているといえます。

振り込め詐欺救済法でお金が返ってこないか検証する

振り込め詐欺は今では広く知られていますが、それでも被害にあう人は今でもいます。このような被害者を救済する意味で、「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」があります。一般的には「振り込み詐欺救済法」と呼びます。先ほどの闇金の口座を凍結する手続きを取ります。そのうえで預金保険機構に金融機関は該当する口座の権利を消滅する公告を行うように求めます。公告後一定期間経過すると権利が消滅するので、その口座の中にあるお金を使って被害者に分配できるわけです。

劇場型闇金を利用した場合、この振り込み詐欺救済法を活用できるかもしれません。法律を活用できるかどうか含め、弁護士や司法書士にまずは相談することが大事です。闇金に支払ったお金は本来返済義務のないお金ですから、取り戻せるものはしっかり取り戻すことが大事です。